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お知らせ
第5回は腹膜透析療法についてご案内致します。
2020.07.20

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 腹膜透析(PD:Peritoneal Dialysis)とは、自身の腹膜を透析膜として使用して、拡散と浸透圧によって透析を行う治療法です。1回に約1~2リットルの腹膜透析専用透析液を注入して腹腔内に貯留し、一定時間経過した透析液を排液する、排液後新しい透析液を注入して腹腔内に貯留する(バッグ交換という)、このサイクルを繰り返すことによって老廃物や余分な水分の除去を行います。血液中の老廃物は透析液との濃度差(拡散)によって腹膜を通過して血液側から透析液側に移動し、水分はブドウ糖もしくはイコデキストリン(トウモロコシデンプン)で透析液の浸透圧を高くし、浸透圧差で除去されるしくみになっています。(当院では腹膜透析は提供しておりませんのでご了承いただきますようお願い致します)

 透析療法を行っている患者総数のうち、先にご案内した血液透析に比べ、腹膜透析患者総数は約9000人と少なく全体の2.7%です。「我が国の慢性透析療法の現況(2017年12月31日現在)」より参照


腹膜透析には以下の2種類の方法があり、この2種類を併用する場合もあります。

①連続携行式腹膜透析(CAPD)

CAPD:Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis
 1日に数回の透析液バッグ交換が必要ですが、自分のスケジュールに合わせて毎日24時間透析をすることができます。

②自動腹膜透析(APD)

APD:Automated Peritoneal Dialysis
 自動腹膜潅流装置(サイクラー)という機械を使用し、自宅で就寝中に自動的に透析を行う方法です。就寝前に透析バッグと回路を機械にセットし、朝まで自動的に透析が行われます。日中は比較的自由に過ごせます。また日中に①のバッグ交換を併用することも可能です。

腹膜透析の特徴

  1. 自宅や職場、学校などで治療を行う在宅療法です
  2. 自身の腹膜を使用し透析液の出し入れを行う事で老廃物や余分な水分の除去を行います
  3. 毎日治療を行いますが、通院は月1~2回程度です
  4. 生活スタイルに合わせた治療が行えます
  5. 治療はご自身やご家族で行います
  6. 腹膜透析を行うためにカテーテルというチューブを腹部に埋め込む手術が必要です
  7. 透析導入後、血液透析に比べて、まだ残っている腎臓の機能(残存腎機能)を長く保つことができると言われています

腹膜透析の短所

  1. 腹部のカテーテルに関連した感染症や腹膜炎の危険性があるため、カテーテルケアが必要です
  2. 腹腔に透析液を貯留させるため、お腹の張りや腰痛を訴える方もいます
  3. 時間の経過とともに腹膜が劣化し働きが悪くなるため、いずれは(多くは5~8年)他の腎代替療法に移行しなければなりません
  4. 長期間腹膜透析を行った方の中で、被嚢性腹膜硬化症という致命的な腹膜炎を発生する危険性があります(約1%)
  5. 治療に必要な清潔操作の理解や、透析バッグ交換や機械接続などの手技の取得が必須で、自己管理が必要です(自己管理困難な場合は家族の介助や管理が必要)

腹膜透析療法(CAPD/APD)と血液透析療法(HD)の違い

  CAPD APD HD
治療する場所 自宅や職場 自宅 透析施設
治療する人 本人や家族 医療者
通院回数 月1~2回程 週3回程
治療にかかる時間 1回30分、1日数回 就寝中(8時間程) 1回4~5時間程
導入前の準備 腹部にカテーテルを埋め込む手術 シャントを作る手術
残存腎機能 比較的長く維持される 比較的短期間で減少する
食事制限 塩分・水分・りん 塩分・水分・りん・カリウム・タンパク質
日常生活 時間的拘束が少ない 時間的拘束が多い
旅行 透析液や器材の携行もしくは輸送の必要あるが可能 透析日の調整や旅行先の透析施設の予約が必要な場合があるが可能
入浴 腹部のカテーテルをカバーする等注意が必要 透析後は避ける方が望ましい
注意する事 カテーテル周囲や腹腔内の感染 シャント部位の感染

PD-HDハイブリッド療法

 腹膜透析は、腹膜の性能低下により老廃物や水分の除去が十分できなくなってきた場合や残存腎機能の低下、もしくは被嚢性腹膜硬化症の観点により、いずれは血液透析もしくは腎移植へ移行しなければなりません。

 腹膜透析単独で透析不足や体液過剰が生じる場合、透析量を増やし体液コントロールを改善するために、腹膜透析と血液透析を併用する方法をPD-HDハイブリッド療法といい、1週間のうち腹膜透析を5日、血液透析を1日、休息日を1日が一般的なスケジュールとなります。この方法では、血液透析の日と休息日は腹膜透析を行わないため腹膜を休ませることができるという利点もあります。


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